2015年11月11日(水)

〈マーケティング論⑦〉

組織に必要なマーケティングとは、外部の顧客に対するマーケティングだけではありません。

組織の内部、つまり、従業員などに対してもマーケティングが必要なのです。
それは、もちろん、顧客に対するマーケティングとは少し違いますが、根本的には同じで、
やはり、従業員にも『感動』を与えるということが組織の発展にはとても大事なことであるのです。

その『感動』の最たるものは、やはり、社会のお役に立つ、または、誰か・何かのお役に立つ、何かを成し遂げることで、社会の幸福化、発展につながるという実感を持たせることが大事なのではないかと思います。

これは、モチベーションということでもあろうかと思いますが、このモチベーションというものはとても大事であり、従業員のモチベーションが下がっている企業はやはり、赤字になり、縮小し、従業員のモチベーションが上がっている企業は、黒字になり、事業も拡大していくのです。

モチベーションを上げる方法とは何か?
それは、一概には言えないかもしれませんが、その一因と言われるのは所得・給料が挙げられると思います。
しかしながら、ただ高い給料をもらっているだけの理由で、仕事に対するモチベーションが上がるのでしょうか?人間はそんなに甘くないと思います。何故なら、一般的に所得が多いと思われている企業が、常に発展しているとは限らない現状をしばしば見るからであります。

ピーター・F・ドラッカーは、給料というものは、仕事における直接的なモチベーションの要因ではないと言っています。給料はエネルギー源、つまり、炭水化物ではない、炭水化物ではないけれども、ビタミンではある。ビタミンはエネルギー源そのものではないけれども、無ければ生きていくことができなくなる。
と言っております。

それでは、モチベーションを上げる方法とは何なのか?
それは、やはり、使命感、情熱とよばれるものではないでしょうか?
上司や、経営者たるものは、従業員に夢や理想を語り、部下の情熱や、使命感に火をつけなければならないと思うのです。
つまり、鼓舞するということが大事なのではないでしょうか。
それが、『感動』を与えるという事でもあると思います。

また、人は誰でも、何かのお役に立ちたいと言う気持ちを持っているものだと思います。
そうであるならば、人の短所を見るのでではなく、長所を見て、この人は、どんな仕事をさせれば、輝くことができ、成果を出していくことができるかを、その人と一対一で話していく中で見いだしていくということも大事なことであると思います。
そのように、基本的に長所を生かして、短所は、見守りながら克服させていくといくことも大事かと思います。
むしろ、短所も、見方を変えれば長所となる場合もありますし、ドラッカーは、マネジメントとは、人の長所を生かし、人の短所を無力化することでもあると言っております。

そのように考えると、今、自分の周りにいる人材は、
普段は欠点ばかりが見えているかもしれませんが、
実は「宝の山」であったということがあるのではないでしょうか?

Faust