2015年11月12日(木)

〈マーケティング論⑧〉

外の顧客に対してだけではなく、従業員に対するマーケティングも大事であるという話をしましたが、これについて、もっと話していきたいと思います。

組織において、一番大事な経営資源とは何か?
それは、お金でも、建物、土地でもなく、人つまり人材であります。

「事業」は人によって起こされ、また、人によって潰れます。
その組織を構成する人、人材によって、発展もし、衰退もするのです。

組織内におけるマーケティングとは、そういった優秀な人材を惹きつけるための大事なものであるのです。

しかしながら、そうした、優秀な人材を惹きつけ、留めておくためには、魅力のある企業とならなければなりません。

魅力のある企業とは何か?
それは、先ず、夢のある、志のある企業ではないかと思います。
その次に、顧客のことを本気で考える企業であると思います。
そして、従業員のことを本気で考える企業であります。

顧客に対する、マーケティングのところを、攻めの部分だと考えると、従業員のことを考える、従業員に対するマーケティングとは、ある意味で兵站の思想でもあろうかと思います。
戦においては、ある意味で、兵站部分が勝敗を決してしまうと言っても過言ではありません。
戦で言う兵站とは、武器、弾薬、食料、水、生活物資、輸送手段等々、
いわゆる補給と言われるものであります。

兵站の供給が十分であり、かつ断続的でなければ、十分な戦いを続けることはできなくなってしまうのです。

つまり、戦略や、作戦、戦術、武器や攻めの道具だけがあればいいわけではなく(そもそもなければ話になりませんが)、弾薬、食料、衣服、住居、休養など、補給のところも、同じくらい勝敗を決するものとして大事であるのです。

Faust