睡眠不足は経済を発展させるか?衰退させるか?そして、健康、美容、ダイエットには?

日本国民の平均睡眠時間は、他の先進国に比べても、かなり短いそうです。

OECDが2011年に行った調査によると、日本の平均睡眠時間は、調査国の中で、一番短いという結果がでました。
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また、日本には、「月月火水木金金」という軍歌があります。
これは、もとは大日本帝国海軍で用いられたのが始まりのようです。

日本海軍は、日露戦争終了後も、「勝って兜の緒を締めよ」と休日返上で猛訓練を行っていた。

明治41年(1908年)に当時海軍大尉だった津留雄三(のち海軍大佐)が「これでは、まるで月月火水木金じゃないか」と同僚に漏らしたことが、海軍中に広まったものとされる。

戦時中には、勤務t礼賛の意味で、日本国民の間で広く使われました。
このように、日本人には、「勤勉の精神」が根強く入っており、これが、戦後の日本の経済発展と、世界トップクラスの経済大国へと発展した原動力そのものであります。

しかし、反面、日本人の平均睡眠時間の少なさが、日本経済によろしくない影響を与えている言う人もおります。

 1.睡眠不足は太る原因となる

 「睡眠時間が不足している人や、不眠の人は、高血圧、耐糖能障害、呼吸器疾患、メタボ、肥満などの生活習慣病になるリスクが高いことも指摘されております。」

「コロンビア大学の研究によると、睡眠時間が7~9時間の人に比べて、睡眠時間が4時間未満に人は70%強、5時間の人でも約50%太りやすい傾向があったそうです。」

「スタンフォード大学の研究では、睡眠時間が5時間の人は、睡眠時間が8時間の人より、食欲をわかせるホルモンが約15%増え、逆に食欲を抑えるホルモンが約15%減るという結果が出たそうです。」
 (参考文献・引用:すばる舎、著者:岩田アリチカ、『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』)
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2.睡眠不足は明らかに、日中のパフォーマンスの低下につながるそれは、酒気帯び状態にも

「適正時間よりもマイナス2時間以上の睡眠時間が続くと、脳はほろ酔い状態によく似た状態になるそうです。どんなに優秀な人でも、寝不足が続けば昼間からお酒をひかっけている人と同じ頭の状態で仕事をしていることになります。」
(参考文献・引用:すばる舎、著者:岩田アリチカ、『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』)

「朝目覚めてから仕事をこなして16時間以上経過すると、それまで踏ん張っていた注意力やパフォーマンスが一気に低下することが知られている。その低下度たるや、酒気帯び運転で検挙されるレベル(血しょう中アルコール濃度0.003%)を大幅に超え、その後もどんどん低下していく」
(参考文献・引用:日経ナショナルジオグラフィック社、著者:三島和夫、「朝型勤務がダメな理由」)

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3.睡眠不足の蓄積という借金による金利は悪徳サラ金なみ

「少し借りたつもりでも法定外金利で膨れ上がる借金、それが睡眠不足なのである。」

~睡眠不足による認知機能の低下を調べるある研究の実験にて~
「8時間睡眠のグループはさすがに2週間の試験期間を通じて眠気が強まることはなかった。しかし、4時間睡眠と6時間睡眠のグループは試験開始直後から眠気が強まり、4時間睡眠では1週間を超えると1晩の徹夜と同じレベルの眠気を感じるようになる。」

「『少し寝たりない』状態が認知機能に与える悪影響はさらに甚大である。6時間睡眠ですら10日を超えると徹夜明けと同じレベルまで認知機能が低下する。(中略)4時間睡眠ともなると2週目には3晩連続の徹夜と同程度にまで低下する。」
(参考文献・引用:日経ナショナルジオグラフィック社、著者:三島和夫、「朝型勤務がダメな理由」)

「睡眠時間と反応速度の関係を調べた研究では、6時間睡眠の人は、日を追うごとに反応速度が遅くなり、2週間後には1晩徹夜した人と同レベルの反応速度にまで落ちたそうです。一方、8時間睡眠の人は、反応速度の低下は見られなかったそうです。」

「睡眠不足は借金にも似ていて、『睡眠負債』が溜まれば溜まるほど、にっちもさっちもいかなくなり、リセットが難しくなります。」
(参考文献・引用:すばる舎、著者:岩田アリチカ、『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』)

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4.良い適度な睡眠で美人に!

睡眠中には、成長ホルモンが分泌されるため、美肌やツヤ髪、代謝アップには欠かせません。
「美人は夜つくられる」、「美人は良く寝る」と言われますが、本当にその通りだと思います。

私が、今まで接してきた女性で、「魅力的だなぁ」、「美人だな」と思った人は、ほぼ、しっかり睡眠時間を取っていました。

中には、大学生であるにもかかわらず、夜の12時には必ず就寝し、7時間~8時間は寝ているという人がいました。
その人はもちろん美人で魅力的な方でした。

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5.良く寝る人が「勝ち組」に!睡眠不足は「負け組」に!

睡眠は、日中の仕事やパフォーマンスに大きく影響します。
睡眠不足であれば、先に述べたように、認知能力が低下してくるため、もちろん判断力も鈍りますし、ミスも多くなります。

また、成功においては、積極的な心、ポジティブな心が大事ですが、
睡眠不足だと、ネガティブになったり、“うつ”になったりする確率が多くなりますし、チャレンジングなことに挑戦するときに、尻込みしてしまったりしてしまいます。

そうなると、良く寝る(適度に)人は「勝ち組」に、睡眠不足は「負け組」になっていくのではないでしょうか?

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実際のところ、エグゼクティブになればなるほど、睡眠にこだわる人が多くなるようです。

中には、「4時間や5時間睡眠でバリバリ仕事ができる!」などという超人がいますが、その人が本当に最高のパフォーマンスを発揮できているのかわかりませんし、長続きしないと思いますのでおススメしません。

6.どの程度、睡眠時間を確保すべきか?

「睡眠時間は年齢や季節によっても異なりますが、アメリカで行われた『睡眠時間と健康のリスク』の調査では、成人は6時間半~8時間未満の睡眠がもっとも疾病にかかりにくかったそうです。」
「日本の調査でも、睡眠に対する充足感がもっとも高かったのは、7時間前後だったそうです。別の調査でも、やはり7時間前後の睡眠の人がもっとも寿命が長く、4時間以下の睡眠しかとらない人と、10時間以上の睡眠をとる人は死亡率が高かったそうです。」
(参考文献・引用:すばる舎、著者:岩田アリチカ、『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』)

7.睡眠不足は、年間3兆5,000億円の損失に!?

「日本大学医学部の内山真教授の研究によると、睡眠不足からくる作業効率の低下や事故などによる経済的損失は、なんと3兆5,000億円にものぼるそうです。」
(参考文献・引用:すばる舎、著者:岩田アリチカ、『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』)

これは、かなり巨額な数字ですね!?
日本の国家予算(一般会計)を96兆円とすると、まさに国家予算の約3%、日本のGDP(国内総生産)は約500兆円ですから、GDPの約0.7%です。
つまり、睡眠不足を解決すると、日本のGDPは少なくとも年間約0.7%成長することになります。
(2016年3月時点)

8.経済発展のために、生産性の向上と、インフラや交通機関の新規整備と改善を!

日本人の睡眠不足を解決するのは、そう簡単なことではありません。
冒頭でも述べましたが、「月月火水木金金」の軍歌のように、日本人には、勤労の美徳が備わっており、だらだら寝るということは、嫌煙されます。
これは、経済発展を促進した面は大いにありますが、これからさらに経済発展するためには、解決しなければならない問題だと思います。

そのためには、科学技術のさらなる発展による、仕事の生産性の向上による残業等の削減と、交通インフラ、住宅の整備による、より短時間で通勤できるような都市デザインをしていかなければならないと思います。

そうすることで、睡眠不足の解消だけでなく、さらなる相乗効果で、GDPが大幅に成長し、経済が発展すると思います。

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9.睡眠の霊的側面と、睡眠不足の弊害の原因

付け加えると、なぜ、睡眠がそれほどまで大事なのか?
未来に、体の疲れを解消させる薬が出たら、睡眠が要らずに、24時間活動し続けられるのではないか?
という疑問が出てくると思います。

私は、人間は霊的な存在だと信じておりますが、以下に興味深い記述があります。

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「世の中には、“短眠法”のようなものを奨励する仕事をしている人もいます。
しかし、実際に短眠法をやり始めて、最初は「睡眠時間が三時間でも疲れない」と言ってバリバリ働いていた人が、一カ月ぐらいすると、だんだんフラフラになって仕事のミスが多くなり、結局、会社をクビになってしまったというような話を聞いたことがあります。

これは極端に走った例ですが、「睡眠の本当の意味」が分かっていないのです。(中略)もう一つの意味は「霊界エネルギーの補給」です。
私たちの肉体は食べ物によって養われていますが、霊体そのものは、実在界にある霊界エネルギーによって養われています。

霊界エネルギーの一部は、食べ物を通して入ってくることもあります。動物の肉とか植物、穀類、ミルクなどのなかには、もともと生命エネルギーが入っているので、一部分は食べ物からも吸収しているのです。
しかし、それだけでは十分ではありません。

肉体だけであるならば、食べ物だけを食べていれば生きていけるのですが、人間は精神的存在であるため、睡眠を通して必ず実在界のエネルギーを受けないと、霊的に生きていけないのです。

人間には平均八時間という長い時間の睡眠が必要です。
「それだけ休ませないと、もたない」というのは、「睡眠によって実在界のエネルギーを得る」という意味があるからなのです。」
(参考文獻・引用:幸福の科学出版、著者:大川隆法、書籍「『超・絶対健康法』)

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こう考えると、睡眠不足の弊害の原因と、
「睡眠に勝る良薬なし」と言われる理由がわかる気がします。

Faust