2015年5月17日(日)

〈序章〉において、「マネジメント(経営)とは知識である」という話をしましたが、それでは、具体的に何をすれば良いのか?ということを考えていきたいと思います。

1.組織の「使命」、「夢」、「志」、「基本理念」を明確にする(総論)

先ず、組織・集団・人の集まりを活かし、成果を生んでいくために必要なことは、その組織の「使命」とは何か?または「夢」とは何か?すなわち「基本理念」を明確にすることだと思います。
言い換えれば、その組織の志、存在意義ということでありますし、ドラッカー的に言えば、「事業は何か?」ということであります。

〈序章〉において、マネジメントとは、「組織という人の集団に、生命を吹き込み、その組織が、ある意味の生き物として成長し、その組織が接するところの社会に何かしらの貢献をもたらすために必要なもの」ということを述べました。

組織を生き物、すなわち人に例えると、その人には必ず、生まれてきた、「使命」があります。または、人生の途上で「夢」を描きます。その使命または夢、志、人生の目的を達成するために努力し、成長し、生きていくのだと思います。同じように、組織にもその使命、夢、志、存在意義が必要なのです。

そして、その「使命」、「夢」は大きい程、野心的であるほど良いと思います。何故かと言うと、組織とは人の心を揺さぶり、感動させ、そして共感を得なければならないからです。人は、大きなそして崇高なものを目指して努力している人を見ると、感動するし、応援したくなるし、協力したくなるし、一緒に参画したくなるものだと思います。そのように、たくさんの方に応援していただき、ファンになっていただき、一緒に参画していただくことが大切なのです。
また、その「使命」、「夢」は、必ず「人のお役に立つもの」、「世の中に貢献するもの」、「人々を幸福にするもの」でなければならないと思います。
それは、松下幸之助が、赤字を出していた事業部長を「天下の人、天下の土地、天下のお金を使って赤字を出しているのは罪人だ。本来なら刑務所行きだ」と叱ったように、
「天下の人、天下の土地、天下のお金を使って、人のお役に立つこと、人を幸福にすることをしていないのなら罪人だ。本来なら刑務所行きだ」と言うことであります。
もちろん、「人のお役に立つこと」、「人々を幸福にするもの」でなければ、人を感動させることも共感を生むこともないことは言うまでもありません。

それでは次回は、具体例として、世界的企業や代表的優良企業と言われるような組織は、一体いかなる「使命」、「夢」、「志」、「基本理念」を掲げているのか?をご紹介いたしましょう。

Faust