2015年6月22日(月)

2.目標を立てる~「夢」、「志」、「使命」、「基本理念」の次に来るべきもの②~

これは、経済の分野でも同じことが言えます。
なぜ、社会主義計画経済が破綻し、自由市場経済が生き残っているかの理由にも当てはまるのです。

自由市場経済というものは、基本的に顧客のニーズにあったもの同士が売買され、お互いに利益を得るというものであります。すなわち、売り手としては、顧客のニーズに合わせるか、ニーズを創り出すことが必要なのです。そして、その顧客のニーズに合うということは、それを購入した顧客が満足し、幸せになるということであります。
そして、多くの顧客を満足させることができた売り手、企業が、莫大な利益を得ることができるのであります。その、顧客のニーズに合わせる、ニーズを創造するというときに際して、売り手、企業としては、創意工夫、企業家精神を発揮することができるのであり、それが、同時に社会全体を発展させ、豊かにしていくのであります。

それと、相対峙する経済構造が、社会主義計画経済であります。これは、一見、計画という名前がついているので、非常に優れた経済体制であるかのように思われます。しかしながら、この経済体制は、基本的に国家が全てを運営し、何を何個生産して、いくらで販売するなどを全て決められ、その数値のみが各販売者、生産者に割り当てられます。その販売者、生産者はその政府からくる数値目標のみを達成することが至上命題となり、顧客のニーズ、満足度などは何も考えられないのであります。それによって、市場には粗悪品が蔓延し、社会が貧乏になっていくのであります。
例を上げると、国家が工場に机を生産させようとしたとき、生産個数を評価基準(ノルマ)としたら、やたら小さな机のみが生産され、今度は、生産した机の総重量を評価基準(ノルマ)としたら、無駄に重い机が生産されたりなど、顧客満足のことを何も考えず、ただ、数値ノルマを達成することに目的が置かれるようになるのです。

これは、自由市場経済が、それぞれの顧客の満足度、幸福感に焦点を合わせるのに対して、社会主義計画経済は、結果的に、そのような顧客満足度、顧客の幸福感などは無視されることになるのです。一見、自由市場経済は無計画で、社会主義計画経済は計画的に思われますが、結果的に自由市場経済が、うまくゆき、社会主義計画経済は破綻するのであります。すなわち完全な計画は結果的に無計画となるのです。
※なぜ、社会主義計画経済が破綻し、自由市場経済が生き残ったかに対する理由は、その他にも論点があるが、今は、主に経営の話であるので、割愛する。

そのように、組織の経営においても、目的、目標はあくまでも顧客(外部)または内部(従業員)の満足度、社会への貢献などに焦点があわせれるべきであり、単なる売り上げ数値や、顧客数などの数値を上げることを目的化、目標化してしまっては、本末転倒になってしまうのであります。

Faust