~まさに、今、着実な手を打つ!~

経営においては、着実な手を打つ!ということが大切である。

それは、着実に未来が開けていく方向、組織が発展していく方向で、
まさに、今、手を打つということである。

例えば、現在抱えている顧客、リピート客の年齢層が高齢化しており、若い世代の顧客を増やしていかなければ、近い将来、例えば10年以内にその企業の収益が確実に減少するという未来が予測できるのであれば、まさに今、何かしらの手を打たなければならないのです。

そして、その手を打つタイミングは、その未来が予測できたまさにその時、その未来に気づいたその時であるのです!

しかし、手を打つには、当たり前のことではありますが、手を打つ人、具体的に実行する人、責任者が必要です。

その、実行する人は、勇気を持って行動し、実行しなければならないのです。

その予測出来うる未来が、遠ければ遠いほど、実行するとき必要になるエネルギーと勇気の量は多くなると思います。

それは、目の前に迫る危機であれば、誰もが、今、手を打たなければならないことが容易にわかるので、実行する人、実行責任者も、周りの賛同と支持を受けやすく、反発する人も少ないし、受け入れられ易いですが、
危機が比較的遠ければ(5年先とか10年先とか)、その危機を予測できる人も少なくなるし、その危機がピンとこない人も多くなるので、賛同者も得られにくく、反発する人も多くなるからであります。

しかしながら、将来、組織を維持し、発展させるためには、それを勇気を持って断行し、手を打っていくことができるリーダーがどうしても必要であると思うのです。

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そのリーダーとは、本当は、しかるべき地位にある人であれば、部下や組織を動かすのも容易であるし、そのリーダーが責任を持って意思決定をすれば、手を打つことは出来るであろうと思います。

ですが、必ずしも、その未来を予測しうる人が、実行力を直に行使できる地位、役職にない場合もあります。

その場合は、勇気を持って、上司に諫言をしなければならないかもしれません。

あるいは、うまい人であれば、上司や、実行力を行使できる地位にある人に対して、諫言されていることを悟られないように、上手に気付かせることができるかも知れません。

日本の歴史の中の奇跡とも言うべき明治維新では、黒船が来航し、このまま徳川幕府に任せておけば、日本は外国から侵略されるという未来を予測し得た人々は、直接に実行力を行使できる立場、地位にはありませんでした。

その中心人物の中で、特に、「吉田松陰」と「坂本竜馬」をあげたいと思います。

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「吉田松陰」については、信念を貫き通し、
「至誠を持って動かざるはなし」という有名な言葉にも現れている通り、日本の国を変えるというその当時は無謀ともいうべき志を曲げることなく、幕府に捕えられ、死罪になったことで、他の維新の志士たちを奮起させたことにより、実行力を行使することができたのです。

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「坂本竜馬」については、もともとは「吉田松陰」の影響などを受けていますが、ある意味で、人と人とのつながりで、徐々に権力を持つ有力者を説得し、「薩長同盟」や「大政奉還」という歴史上の大偉業を成し遂げてしまったのです。
つまり、徐々に上の役職の人々を説得し、実行力に変えていったのではないかと思います。

このように、現代の私たちも、歴史上の偉人に学び、
もし、そう遠くない未来において、組織の危機的な状況が予測されうるのであれば、上手に上の人を動かしたり、周りの人々を巻き込んで、実行力に変えていかねばならないのではないかと思います。

そうしたことにより、着実な手を打っていくことが大事なのです。

Faust