2015年10月15日(木)

〈事業計画について考える〉

事業計画とは、その組織の設計図、地図である。
事業計画がいい加減なものや、甘い言葉尻を並べただけのものや、ただの決意発表のみになっている組織は、自転車操業、ダッチロールをしてしまうと思います。

事業計画を立てる際、いくつか大事なポイントがあると考えます。

①未来志向であること

抽象的な話になるかもしれませんが、計画は未来に向けて、立てなければならないということです。これは、当たり前に聞こえることと思います。それは、「計画」とは、方向性として、未来という意味を含んでいるからであります。

しかし、私が言う未来とは、もっと建設的な意味で使いたいと思います。未来とは、明日を創る方向、未来を創る方向、発展・繁栄・成長・進化する方向を含む言葉として使いたいのです。
つまり、過去とは、衰退の方向、消極的な方向を示しているのです。

事業計画は、発展の方向、繁栄の方向、つまり未来の方向に向けて立てるべきであると考えます。それは、組織とは、多くの人の生活、そして人生、そのようなものに影響を与えるからであります。

②現実をしっかり見ていること

これは、現在の組織の現状を良く把握していることが大事であるということです。これは、ある意味で、冷たい、冷徹な目で、客観的に自らの組織を省みるということです。
※そう簡単なことではない。

病院でいうところの、健康診断、定期健診のようなものでしょうか?
体重測定、レントゲンや、血液検査、心電図検査、聴診器による診断など、体の現在の状態を把握しなければ、行うべき処置や治療が分からないように、組織においても、現在の状況を、青写真を撮るようにして、把握しなければならないのです。

具体的な戦略を立てること

ここは、特に大事だと思います。ここでは、理想を具体的にイメージし、その理想のイメージに近づいていく道のりをしっかりと考え、イメージするということであります。

例えば、富士山の頂上に登るという野望を持っているとすると、
先ず、その頂上に登ったときの自分をイメージできなくてはいけません。
そして、その頂上に登る自分という理想像に到達するためには、
経費はどの程度かかって、荷物や食料は何々が必要で、どんな服装が必要で、東京からだと、何々線でどこそこの駅まで行って、どこから登りはじめて、何合目で休憩をして、出発はいつで、その時の天気予報は何々で、先立は誰にお願いして、それまで、運動をして体力をつけて・・・などなど。
また、それらを考えイメージしたら、それらを定量的な目標に落とし込み、目標を設定することが必要です。
例えば、その程度の服を調達し、食料は何日分用意する、△△キロメートルを楽に走れるようになるまで体力をつけ、お金は〇〇万円貯めてなどなどが目標に相当するのではないでしょうか。

このように、どうしたらその理想の姿に現実に近づけるかを具体的に計画を立てる。
このような戦略を立てることが必要なのです。

④現実に実行に移すために、責任者、担当者、期限を決める(意思決定する)

これらの戦略の立案を、ただのお題目とするのではなく、はっきりと責任者を立てる必要があります。責任者とは、何かあった時に、責任を取る人でなければなりません。責任を取るとは、なにかあったら、(古い例えでは)腹を斬る人、つまり、切腹する人です。
そして、それらを責任者・リーダーとともに実行する担当者がいなければならないのです。

いついつまでに成し遂げるか?という期限も設定しなければ、責任もあやふやになってしまいます。

⑤現実に行動を起こすこと、成果に結びつけること

どんな戦略・計画があっても、何もしなければ、意味がありません。そして、何らかの成果につなげていくことが大事なのです。
※以前にも述べましたが、企業家とは、現実に行動を起こす人であります。

組織というものは、それ特有の使命を持っています。その使命成就に向けて、着実に成果を出し、前進していくことが、事業計画、戦略の意義なのではないでしょうか。

Faust