~組織が大きくなったことによる弊害、大企業病を解決せよ!~

大企業病という病がある。

この病は、組織が大きくなることで、発症する様々な企業の病気の総称である。

Embed from Getty Images

例えば、セクショナリズム、官僚主義、縦割りの組織などなどと言われるものである。

では、その発生原因はなんでしょうか?

会社、組織というものは、その外の世界と接することによって、様々に磨かれ、人々のニーズを知り、同業他社と競争し、切磋琢磨し、より良いものへと変化していくことができるのだと思います。

しかしながら、大きな企業になりますと、その業種にもよりますが、徐々に取引する相手や、顧客、普段の生活の中で接する人々が、内輪の人々、つまり、同じ世界の人々ばかりになっていくという事態が生じるのではないでしょうか?

そうなると、どうなるか?

それは、ある意味、外の世界から隔離された内輪の世界の中で、社長以下、幹部、部長、課長、平社員含めほとんどの人が、同じ世界の同じような人間となり、徐々に外の世界の人々の考え方、ニーズ、常識なるものが、忘れ去られていくのだと思います。

そうなると、新しい、新規の顧客を獲得することが徐々に難しくなり、組織の衰退につながっていくのです。

これは、特に、宗教などの、比較的、排他性が高く、かつ、信者という層、つまりお馴染みの固定客がいるような組織で陥りやすい事態なのではないか?と思います。

これを解決するために、必要な考え方とは何か?

それは、先ず一つは、
「成果は外部にある、成果は外の世界にある」
ということを再認識することが大切であると思います。

成果とは、
「如何に外の世界の人々に必要とされ、外の世界の人々のお役にたち、外の世界の人々に新たな顧客、リピーター、信者になっていただくか」
というところにあるのではないでしょうか?

そう、成果は外にあるのです。
成果は、組織の内部にはありません。

いくら、内部的に良い数字を、良い報告を上層部に報告したとしても、それは、なんの成果にもならないんです。

結局は、企業の外の世界、組織の外の世界で、社会に通用するような、社会に認められるような成果を出しているのか?
ということが、全ての全てであると思います。

以前、こんな話を聞いたことがあります。

「昔、ある島に、絶滅危惧種のある鳥がおりました。

その島の人々は、その絶滅危惧種の鳥をなんとか守ろうと、その鳥の

天敵にあたる動物などを全て駆除してしまいました。

そして、それから、月日が流れ、その、絶滅危惧種だった鳥は、天敵もいなくなったため、ぬくぬくと育つことができ、個体数も増えてきておりました。

しかし、ある日、その島に、その鳥の天敵の動物がわずかに、異邦人より持ち込まれ、わずか短期間で、その鳥たちは、あっという間に絶滅してしまいました。」

というお話です。

その鳥たちは、長い間、天敵にから守られ、ぬくぬくと育ったので、戦い方を忘れ、自ら自身を守ることさえできなくなってしまっていたのです。

大企業病とは、まさにこのような状態なのではないか?と思います。

まだ、中小企業のときは、そのコミュニティーも小さく、常に外部の人と接し、取引し、ある意味で、外部の人を中心に考え、自らを外部のニーズに合わせていくというスタイルであろうと思います。
つまり、天動説型の考え方なのです。

しかし、大企業になると、自らが有するコミュニティーが大きくなり、その自らのコミュニティーの中の人と接する時間が多くなり、外部の人と関わる時間が少なくなります。そうすると、外部の人の気持ちやニーズが分からなくなり、自分達のコミュニティーの考えが、外部にも通用すると思い込んでしまうのです。
つまり、地動説の考えになってしまうのです。

そうすると、だんだんと、外部の世界では通用しなくなっていくのではないでしょうか?

Embed from Getty Images

そうならないためには、常に外部に目を向け、外部に成果を求め続けるという飽くなき姿勢が大事なのではないでしょうか。

つまり、

「事件は会議室で起こっているのではない!現場で起きているんだ!」

ということではないかと思います。

Faust